遊覧布勢水海賦一首[并短歌] [此海者有射水郡舊江村也] (Manyoshu 3991)

物能乃敷能
夜蘇等母乃乎能
於毛布度知
許己呂也良武等
宇麻奈米C
宇知久知夫利乃
之良奈美能
安里蘇尓与須流
之夫多尓能 佐吉多母登保理
麻都太要能
奈我波麻須義C
宇奈比河波 伎欲吉勢其等尓
宇加波多知
可由吉加久遊岐
見都礼騰母 曽許母安加尓等
布勢能宇弥尓
布祢宇氣須恵C
於伎敝許藝 邊尓己伎見礼婆
奈藝左尓波
安遅牟良佐和伎
之麻<未>尓波 許奴礼波奈左吉
許己婆久毛
見乃佐夜氣吉加
多麻久之氣 布多我弥夜麻尓
波布都多能
由伎波和可礼受
安里我欲比 伊夜登之能波尓
於母布度知
可久思安蘇婆牟
異麻母見流其等

Modern Japanese

もののふの
八十伴の男の
思ふどち
心遣らむと
馬並めて
うちくちぶりの
白波の
荒礒に寄する
渋谿の 崎た廻り
松田江の
長浜過ぎて
宇奈比川 清き瀬ごとに
鵜川立ち
か行きかく行き
見つれども そこも飽かにと
布施の海に
舟浮け据ゑて
沖辺漕ぎ 辺に漕ぎ見れば
渚には
あぢ群騒き
島廻には 木末花咲き
ここばくも
見のさやけきか
玉櫛笥 二上山に
延ふ蔦の
行きは別れず
あり通ひ いや年のはに
思ふどち
かくし遊ばむ
今も見るごと

Hiragana Pronounciation

もののふの
やそとものをの
おもふどち
こころやらむと
うまなめて
うちくちぶりの
しらなみの
ありそによする
しぶたにの
さきたもとほり
まつだえの
ながはますぎて
うなひがは
きよきせごとに
うかはたち
かゆきかくゆき
みつれども
そこもあかにと
ふせのうみに
ふねうけすゑて
おきへこぎ
へにこぎみれば
なぎさには
あぢむらさわき
しまみには
こぬれはなさき
ここばくも
みのさやけきか
たまくしげ
ふたがみやまに
はふつたの
ゆきはわかれず
ありがよひ
いやとしのはに
おもふどち
かくしあそばむ
いまもみるごと

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