乞食者<詠>二首 (Manyoshu 3885)

伊刀古
名兄乃君
居々而
物尓伊行跡波
韓國乃
虎神乎
生取尓
八頭取持来
其皮乎
多々弥尓刺
八重疊
平群乃山尓 四月
与五月間尓
藥猟
仕流時尓
足引乃
此片山尓 二立
伊智比何本尓
梓弓
八多婆佐弥
比米加夫良
八多婆左弥
完待跡 吾居時尓
佐男鹿乃
来<立>嘆久
頓尓
吾可死 王尓
吾仕牟
吾角者
御笠乃<波>夜詩
吾耳者
御墨坩 吾目良波
真墨乃鏡
吾爪者
御弓之弓波受
吾毛等者
御筆波夜斯 吾皮者
御箱皮尓
吾完者
御奈麻須波夜志
吾伎毛母
御奈麻須波夜之 吾美義波
御塩乃波夜之
耆矣奴
吾身一尓
七重花佐久 八重花生跡
白賞尼
<白賞尼>

Modern Japanese

いとこ
汝背の君
居り居りて
物にい行くとは
韓国の
虎といふ神を
生け捕りに
八つ捕り持ち来
その皮を
畳に刺し
八重畳
平群の山に 四月と
五月との間に
薬猟
仕ふる時に
あしひきの
この片山に 二つ立つ
櫟が本に
梓弓
八つ手挟み
ひめ鏑
八つ手挟み
獣待つと 我が居る時に
さを鹿の
来立ち嘆かく
たちまちに
我れは死ぬべし 大君に
我れは仕へむ
我が角は
み笠のはやし
我が耳は
み墨の坩 我が目らは
ますみの鏡
我が爪は
み弓の弓弭
我が毛らは
み筆はやし 我が皮は
み箱の皮に
我が肉は
み膾はやし
我が肝も
み膾はやし 我がみげは
み塩のはやし
老いたる奴
我が身一つに
七重花咲く 八重花咲くと
申しはやさね
申しはやさね

Hiragana Pronounciation

いとこ
なせのきみ
をりをりて
ものにいゆくとは
からくにの
とらといふかみを
いけどりに
やつとりもちき
そのかはを
たたみにさし
やへたたみ
へぐりのやまに
うづきと
さつきとのまに
くすりがり
つかふるときに
あしひきの
このかたやまに
ふたつたつ
いちひがもとに
あづさゆみ
やつたばさみ
ひめかぶら
やつたばさみ
ししまつと
わがをるときに
さをしかの
きたちなげかく
たちまちに
われはしぬべし
おほきみに
われはつかへむ
わがつのは
みかさのはやし
わがみみは
みすみつほ
わがめらは
ますみのかがみ
わがつめは
みゆみのゆはず
わがけらは
みふみてはやし
わがかはは
みはこのかはに
わがししは
みなますはやし
わがきもも
みなますはやし
わがみげは
みしほのはやし
おいたるやつこ
あがみひとつに
ななへはなさく
やへはなさくと
まをしはやさね
まをしはやさね

Rate this poem: 
Translation: 
Language: 

Reviews

No reviews yet.