八日詠白<大>鷹歌一首[并短歌] (Manyoshu 4154)

安志比奇<乃>
山坂<超>而
去更
年緒奈我久
科坂在
故志尓之須米婆
大王之
敷座國者
京師乎母
此間毛於夜自等
心尓波 念毛能可良
語左氣
見左久流人眼
乏等
於毛比志繁 曽己由恵尓
情奈具也等
秋附婆
芽子開尓保布
石瀬野尓 馬太伎由吉C
乎知許知尓
鳥布美立
白塗之
小鈴毛由良尓 安波勢也<理>
布里左氣見都追
伊伎騰保流
許己呂能宇知乎
思延 宇礼之備奈我良
枕附
都麻屋之内尓
鳥座由比
須恵弖曽我飼 真白部乃多可

Modern Japanese

あしひきの
山坂越えて
行きかはる
年の緒長く
しなざかる
越にし住めば
大君の
敷きます国は
都をも
ここも同じと
心には 思ふものから
語り放け
見放くる人目
乏しみと
思ひし繁し そこゆゑに
心なぐやと
秋づけば
萩咲きにほふ
石瀬野に 馬だき行きて
をちこちに
鳥踏み立て
白塗りの
小鈴もゆらに あはせ遣り
振り放け見つつ
いきどほる
心のうちを
思ひ延べ 嬉しびながら
枕付く
妻屋のうちに
鳥座結ひ
据えてぞ我が飼ふ 真白斑の鷹

Hiragana Pronounciation

あしひきの
やまさかこえて
ゆきかはる
としのをながく
しなざかる
こしにしすめば
おほきみの
しきますくには
みやこをも
ここもおやじと
こころには
おもふものから
かたりさけ
みさくるひとめ
ともしみと
おもひししげし
そこゆゑに
こころなぐやと
あきづけば
はぎさきにほふ
いはせのに
うまだきゆきて
をちこちに
とりふみたて
しらぬりの
をすずもゆらに
あはせやり
ふりさけみつつ
いきどほる
こころのうちを
おもひのべ
うれしびながら
まくらづく
つまやのうちに
とぐらゆひ
すゑてぞわがかふ
ましらふのたか

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