敬和遊覧布勢水海賦一首并一絶 (Manyoshu 3993)

布治奈美波
佐岐弖知理尓伎
宇能波奈波
伊麻曽佐可理等
安之比奇能
夜麻尓毛野尓毛
保登等藝須
奈伎之等与米婆
宇知奈妣久 許己呂毛之努尓
曽己乎之母
宇良胡非之美等
於毛布度知 宇麻宇知牟礼弖
多豆佐波理
伊泥多知美礼婆
伊美豆河泊 美奈刀能須登利
安佐奈藝尓
可多尓安佐里之
思保美弖婆 都麻欲<妣>可波須
等母之伎尓
美都追須疑由伎
之夫多尓能 安利蘇乃佐伎尓
於枳追奈美
余勢久流多麻母
可多与理尓 可都良尓都久理
伊毛我多米
C尓麻吉母知弖
宇良具波之 布<勢>能美豆宇弥尓
阿麻夫祢尓
麻可治加伊奴吉
之路多倍能 蘇泥布<理>可邊之
阿登毛比弖
和賀己藝由氣婆
乎布能佐伎 <波>奈知利麻我比
奈伎佐尓波
阿之賀毛佐和伎
佐射礼奈美 多知弖毛為弖母
己藝米具利
美礼登母安可受
安伎佐良婆 毛美知能等伎尓
波流佐良婆
波奈能佐可利尓
可毛加久母 伎美我麻尓麻等
可久之許曽
美母安吉良米々
多由流比安良米也

Modern Japanese

藤波は
咲きて散りにき
卯の花は
今ぞ盛りと
あしひきの
山にも野にも
霍公鳥
鳴きし響めば
うち靡く 心もしのに
そこをしも
うら恋しみと
思ふどち 馬打ち群れて
携はり
出で立ち見れば
射水川 港の渚鳥
朝なぎに 潟にあさりし
潮満てば 夫呼び交す
羨しきに
見つつ過ぎ行き
渋谿の 荒礒の崎に
沖つ波
寄せ来る玉藻
片縒りに 蘰に作り
妹がため
手に巻き持ちて
うらぐはし 布勢の水海に
海人船に
ま楫掻い貫き
白栲の 袖振り返し
あどもひて
我が漕ぎ行けば
乎布の崎 花散りまがひ
渚には
葦鴨騒き
さざれ波 立ちても居ても
漕ぎ廻り
見れども飽かず
秋さらば 黄葉の時に
春さらば
花の盛りに
かもかくも 君がまにまと
かくしこそ
見も明らめめ
絶ゆる日あらめや

Hiragana Pronounciation

ふぢなみは
さきてちりにき
うのはなは
いまぞさかりと
あしひきの
やまにものにも
ほととぎす
なきしとよめば
うちなびく
こころもしのに
そこをしも
うらごひしみと
おもふどち
うまうちむれて
たづさはり
いでたちみれば
いみづがは
みなとのすどり
あさなぎに
かたにあさりし
しほみてば
つまよびかはす
ともしきに
みつつすぎゆき
しぶたにの
ありそのさきに
おきつなみ
よせくるたまも
かたよりに
かづらにつくり
いもがため
てにまきもちて
うらぐはし
ふせのみづうみに
あまぶねに
まかぢかいぬき
しろたへの
そでふりかへし
あどもひて
わがこぎゆけば
をふのさき
はなちりまがひ
なぎさには
あしがもさわき
さざれなみ
たちてもゐても
こぎめぐり
みれどもあかず
あきさらば
もみちのときに
はるさらば
はなのさかりに
かもかくも
きみがまにまと
かくしこそ
みもあきらめめ
たゆるひあらめや

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