賀陸奥國出金詔書歌一首[并短歌] (Manyoshu 4094)
葦原能
美豆保國乎
安麻久太利
之良志賣之家流
須賣呂伎能
神乃美許等能
御代可佐祢
天乃日<嗣>等
之良志久流
伎美能御代々々 之伎麻世流
四方國尓波
山河乎
比呂美安都美等
多弖麻都流
御調寶波 可蘇倍衣受
都久之毛可祢都
之加礼騰母
吾大王<乃>
毛呂比登乎 伊射奈比多麻比
善事乎
波自米多麻比弖
久我祢可毛 <多>之氣久安良牟登
於母保之弖
之多奈夜麻須尓
鶏鳴
東國<乃> 美知能久乃
小田在山尓
金有等
麻宇之多麻敝礼
御心乎 安吉良米多麻比
天地乃
神安比宇豆奈比
皇御祖乃
御霊多須氣弖 遠代尓
可々里之許登乎
朕御世尓
安良波之弖安礼婆
御食國波 左可延牟物能等
可牟奈我良
於毛保之賣之弖
毛能乃布能
八十伴雄乎 麻都呂倍乃
牟氣乃麻尓々々
老人毛
女童兒毛
之我願
心太良比尓 撫賜
治賜婆
許己乎之母
安夜尓多敷刀美
宇礼之家久 伊余与於母比弖
大伴<乃>
遠都神祖乃
其名乎婆
大来目主<等> 於比母知弖
都加倍之官
海行者
美都久屍
山行者
草牟須屍
大皇乃 敝尓許曽死米
可敝里見波
勢自等許等太弖
大夫乃
伎欲吉彼名乎 伊尓之敝欲
伊麻乃乎追通尓
奈我佐敝流
於夜<乃>子等毛曽
大伴等 佐伯乃氏者
人祖乃
立流辞立
人子者
祖名不絶
大君尓 麻都呂布物能等
伊比都雅流
許等能都可左曽
梓弓
手尓等里母知弖 劔大刀
許之尓等里波伎
安佐麻毛利
由布能麻毛利<尓>
大王<乃> 三門乃麻毛利
和礼乎於吉<弖> 比等波安良自等
伊夜多C 於毛比之麻左流
大皇乃
御言能左吉乃
[一云
乎]
聞者貴美
[一云
貴久之安礼婆]
美豆保國乎
安麻久太利
之良志賣之家流
須賣呂伎能
神乃美許等能
御代可佐祢
天乃日<嗣>等
之良志久流
伎美能御代々々 之伎麻世流
四方國尓波
山河乎
比呂美安都美等
多弖麻都流
御調寶波 可蘇倍衣受
都久之毛可祢都
之加礼騰母
吾大王<乃>
毛呂比登乎 伊射奈比多麻比
善事乎
波自米多麻比弖
久我祢可毛 <多>之氣久安良牟登
於母保之弖
之多奈夜麻須尓
鶏鳴
東國<乃> 美知能久乃
小田在山尓
金有等
麻宇之多麻敝礼
御心乎 安吉良米多麻比
天地乃
神安比宇豆奈比
皇御祖乃
御霊多須氣弖 遠代尓
可々里之許登乎
朕御世尓
安良波之弖安礼婆
御食國波 左可延牟物能等
可牟奈我良
於毛保之賣之弖
毛能乃布能
八十伴雄乎 麻都呂倍乃
牟氣乃麻尓々々
老人毛
女童兒毛
之我願
心太良比尓 撫賜
治賜婆
許己乎之母
安夜尓多敷刀美
宇礼之家久 伊余与於母比弖
大伴<乃>
遠都神祖乃
其名乎婆
大来目主<等> 於比母知弖
都加倍之官
海行者
美都久屍
山行者
草牟須屍
大皇乃 敝尓許曽死米
可敝里見波
勢自等許等太弖
大夫乃
伎欲吉彼名乎 伊尓之敝欲
伊麻乃乎追通尓
奈我佐敝流
於夜<乃>子等毛曽
大伴等 佐伯乃氏者
人祖乃
立流辞立
人子者
祖名不絶
大君尓 麻都呂布物能等
伊比都雅流
許等能都可左曽
梓弓
手尓等里母知弖 劔大刀
許之尓等里波伎
安佐麻毛利
由布能麻毛利<尓>
大王<乃> 三門乃麻毛利
和礼乎於吉<弖> 比等波安良自等
伊夜多C 於毛比之麻左流
大皇乃
御言能左吉乃
[一云
乎]
聞者貴美
[一云
貴久之安礼婆]
Modern Japanese
葦原の
瑞穂の国を
天下り
知らしめしける
すめろきの
神の命の
御代重ね
天の日継と
知らし来る
君の御代御代 敷きませる
四方の国には
山川を
広み厚みと
奉る
御調宝は 数へえず
尽くしもかねつ
しかれども
我が大君の
諸人を 誘ひたまひ
よきことを
始めたまひて
金かも たしけくあらむと
思ほして
下悩ますに
鶏が鳴く
東の国の 陸奥の
小田なる山に
黄金ありと
申したまへれ
御心を 明らめたまひ
天地の
神相うづなひ
すめろきの
御霊助けて 遠き代に
かかりしことを
我が御代に
顕はしてあれば
食す国は 栄えむものと
神ながら
思ほしめして もののふの
八十伴の緒を まつろへの
向けのまにまに
老人も
女童も
しが願ふ
心足らひに 撫でたまひ
治めたまへば
ここをしも
あやに貴み
嬉しけく いよよ思ひて
大伴の
遠つ神祖の
その名をば
大久米主と 負ひ持ちて
仕へし官
海行かば
水漬く屍
山行かば
草生す屍
大君の 辺にこそ死なめ
かへり見は
せじと言立て
大夫の
清きその名を いにしへよ
今のをつづに
流さへる
祖の子どもぞ
大伴と 佐伯の氏は
人の祖の
立つる言立て
人の子は
祖の名絶たず
大君に まつろふものと
言ひ継げる
言の官ぞ
梓弓
手に取り持ちて 剣大刀
腰に取り佩き
朝守り
夕の守りに
大君の 御門の守り
我れをおきて
人はあらじと
いや立て 思ひし増さる
大君の
御言のさきの
[一云
を]
聞けば貴み
[一云
貴くしあれば]
瑞穂の国を
天下り
知らしめしける
すめろきの
神の命の
御代重ね
天の日継と
知らし来る
君の御代御代 敷きませる
四方の国には
山川を
広み厚みと
奉る
御調宝は 数へえず
尽くしもかねつ
しかれども
我が大君の
諸人を 誘ひたまひ
よきことを
始めたまひて
金かも たしけくあらむと
思ほして
下悩ますに
鶏が鳴く
東の国の 陸奥の
小田なる山に
黄金ありと
申したまへれ
御心を 明らめたまひ
天地の
神相うづなひ
すめろきの
御霊助けて 遠き代に
かかりしことを
我が御代に
顕はしてあれば
食す国は 栄えむものと
神ながら
思ほしめして もののふの
八十伴の緒を まつろへの
向けのまにまに
老人も
女童も
しが願ふ
心足らひに 撫でたまひ
治めたまへば
ここをしも
あやに貴み
嬉しけく いよよ思ひて
大伴の
遠つ神祖の
その名をば
大久米主と 負ひ持ちて
仕へし官
海行かば
水漬く屍
山行かば
草生す屍
大君の 辺にこそ死なめ
かへり見は
せじと言立て
大夫の
清きその名を いにしへよ
今のをつづに
流さへる
祖の子どもぞ
大伴と 佐伯の氏は
人の祖の
立つる言立て
人の子は
祖の名絶たず
大君に まつろふものと
言ひ継げる
言の官ぞ
梓弓
手に取り持ちて 剣大刀
腰に取り佩き
朝守り
夕の守りに
大君の 御門の守り
我れをおきて
人はあらじと
いや立て 思ひし増さる
大君の
御言のさきの
[一云
を]
聞けば貴み
[一云
貴くしあれば]
Hiragana Pronounciation
あしはらの
みづほのくにを
あまくだり
しらしめしける
すめろきの
かみのみことの
みよかさね
あまのひつぎと
しらしくる
きみのみよみよ
しきませる
よものくにには
やまかはを
ひろみあつみと
たてまつる
みつきたからは
かぞへえず
つくしもかねつ
しかれども
わがおほきみの
もろひとを
いざなひたまひ
よきことを
はじめたまひて
くがねかも
たしけくあらむと
おもほして
したなやますに
とりがなく
あづまのくにの
みちのくの
をだなるやまに
くがねありと
まうしたまへれ
みこころを
あきらめたまひ
あめつちの
かみあひうづなひ
すめろきの
みたまたすけて
とほきよに
かかりしことを
わがみよに
あらはしてあれば
をすくには
さかえむものと
かむながら
おもほしめして
もののふの
やそとものをを
まつろへの
むけのまにまに
おいひとも
をみなわらはも
しがねがふ
こころだらひに
なでたまひ
をさめたまへば
ここをしも
あやにたふとみ
うれしけく
いよよおもひて
おほともの
とほつかむおやの
そのなをば
おほくめぬしと
おひもちて
つかへしつかさ
うみゆかば
みづくかばね
やまゆかば
くさむすかばね
おほきみの
へにこそしなめ
かへりみは
せじとことだて
ますらをの
きよきそのなを
いにしへよ
いまのをつづに
ながさへる
おやのこどもぞ
おほともと
さへきのうぢは
ひとのおやの
たつることだて
ひとのこは
おやのなたたず
おほきみに
まつろふものと
いひつげる
ことのつかさぞ
あづさゆみ
てにとりもちて
つるぎたち
こしにとりはき
あさまもり
ゆふのまもりに
おほきみの
みかどのまもり
われをおきて
ひとはあらじと
いやたて
おもひしまさる
おほきみの
みことのさきの[を]
きけばたふとみ
[たふとくしあれば]
みづほのくにを
あまくだり
しらしめしける
すめろきの
かみのみことの
みよかさね
あまのひつぎと
しらしくる
きみのみよみよ
しきませる
よものくにには
やまかはを
ひろみあつみと
たてまつる
みつきたからは
かぞへえず
つくしもかねつ
しかれども
わがおほきみの
もろひとを
いざなひたまひ
よきことを
はじめたまひて
くがねかも
たしけくあらむと
おもほして
したなやますに
とりがなく
あづまのくにの
みちのくの
をだなるやまに
くがねありと
まうしたまへれ
みこころを
あきらめたまひ
あめつちの
かみあひうづなひ
すめろきの
みたまたすけて
とほきよに
かかりしことを
わがみよに
あらはしてあれば
をすくには
さかえむものと
かむながら
おもほしめして
もののふの
やそとものをを
まつろへの
むけのまにまに
おいひとも
をみなわらはも
しがねがふ
こころだらひに
なでたまひ
をさめたまへば
ここをしも
あやにたふとみ
うれしけく
いよよおもひて
おほともの
とほつかむおやの
そのなをば
おほくめぬしと
おひもちて
つかへしつかさ
うみゆかば
みづくかばね
やまゆかば
くさむすかばね
おほきみの
へにこそしなめ
かへりみは
せじとことだて
ますらをの
きよきそのなを
いにしへよ
いまのをつづに
ながさへる
おやのこどもぞ
おほともと
さへきのうぢは
ひとのおやの
たつることだて
ひとのこは
おやのなたたず
おほきみに
まつろふものと
いひつげる
ことのつかさぞ
あづさゆみ
てにとりもちて
つるぎたち
こしにとりはき
あさまもり
ゆふのまもりに
おほきみの
みかどのまもり
われをおきて
ひとはあらじと
いやたて
おもひしまさる
おほきみの
みことのさきの[を]
きけばたふとみ
[たふとくしあれば]
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