(乞食者<詠>二首) (Manyoshu 3886)

忍照八
難波乃小江尓
廬作
難麻理弖居
葦河尓乎
王召跡
何為牟尓
吾乎召良米夜
明久
<吾>知事乎
歌人跡 和乎召良米夜
笛吹跡
和乎召良米夜
琴引跡
和乎召良米夜 彼<此>毛
<命>受牟跡
今日々々跡
飛鳥尓到
雖<置>
<々>勿尓到雖不策
都久怒尓到

中門由
参納来弖
命受例婆 馬尓己曽
布毛太志可久物
牛尓己曽
鼻縄波久例
足引乃 此片山乃
毛武尓礼乎
五百枝波伎垂
天光夜
日乃異尓干 佐比豆留夜
辛碓尓舂
庭立
<手>碓子尓舂
忍光八 難波乃小江乃
始垂乎
辛久垂来弖
陶人乃
所作龜乎 今日徃
明日取持来
吾目良尓
塩と給
<セ>賞毛 <セ賞毛>

Modern Japanese

おしてるや
難波の小江に
廬作り
隠りて居る
葦蟹を
大君召すと
何せむに
我を召すらめや
明けく
我が知ることを
歌人と 我を召すらめや
笛吹きと
我を召すらめや
琴弾きと
我を召すらめや かもかくも
命受けむと
今日今日と
飛鳥に至り
置くとも
置勿に至り つかねども
都久野に至り
東の
中の御門ゆ
参入り来て
命受くれば 馬にこそ
ふもだしかくもの
牛にこそ
鼻縄はくれ
あしひきの この片山の
もむ楡を
五百枝剥き垂り
天照るや
日の異に干し さひづるや
韓臼に搗き
庭に立つ
手臼に搗き
おしてるや 難波の小江の
初垂りを
からく垂り来て
陶人の
作れる瓶を 今日行きて
明日取り持ち来
我が目らに
塩塗りたまひ
きたひはやすも きたひはやすも

Hiragana Pronounciation

おしてるや
なにはのをえに
いほつくり
なまりてをる
あしがにを
おほきみめすと
なにせむに
わをめすらめや
あきらけく
わがしることを
うたひとと
わをめすらめや
ふえふきと
わをめすらめや
ことひきと
わをめすらめや
かもかくも
みことうけむと
けふけふと
あすかにいたり
おくとも
おくなにいたり
つかねども
つくのにいたり
ひむがしの
なかのみかどゆ
まゐりきて
みことうくれば
うまにこそ
ふもだしかくもの
うしにこそ
はなづなはくれ
あしひきの
このかたやまの
もむにれを
いほえはきたり
あまてるや
ひのけにほし
さひづるや
からうすにつき
にはにたつ
てうすにつき
おしてるや
なにはのをえの
はつたりを
からくたりきて
すゑひとの
つくれるかめを
けふゆきて
あすとりもちき
わがめらに
しほぬりたまひ
きたひはやすも
きたひはやすも

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